2011年11月5日土曜日

DAMNATION ALLEY (77)

『DAMNATION ALLEY(77)』 邦題:世界が燃えつきる日 公開時の英語題名は"SURVIVAL RUN"となっていました。
核戦争後の世界、わずかに生き残った人たち(物語の出だしは陸軍の兵士四人)が(映画パンプレットによればニューヨーク州の)オールバニーから送られてくる電波を頼りに、放射能汚染されていない回廊地帯を通って自らの生き残りを賭けて大陸横断の旅の出かける。
上部にサウンド360°の
ロゴが見える。

ストーリーには全く興味なく(ロジャー・ゼラズニィ著「地獄のハイウェイ」という原作があるのですが未読でした)劇場へと足を運びました。お目当ては「驚異の新音響《サウンド360°》」と銘打った「革新的な音響システム」だったのでした。余談ではありますが、当時〇宝〇和という配給会社はオリジナルには存在しない〈ナントカ・サウンド〉という惹句で観客をだま、もとい引きつけていたのでこれもそのお仲間かとも思ったのですが、エンド・クレジットの終わりにちゃんと"SOUND 360°"と明記されていたのでちょっと安心しました。
日本でワールド・プレミア公開するということで劇場もシネラマ劇場のテアトル東京での公開でした。
シネラマの大画面に似合って、サウンドも劇場中大暴れでした。
放射能で巨大化したサソリたちが跋扈する砂漠をバイクで疾走するタナー(ジャン・マイケル・ビンセント)の周りでサソリたちが奇声(?)をあげる。この耳障りな音が劇場の四方から鳴り響いていました。
嵐のシーンではランドマスターの周りを竜巻がうなりを上げて迫ってきましたし、クライマックスの大津波は劇場の前方から後方へランドマスターを巻き込みながら通過したいきました。
要するに聞き所満載だった訳です。
映画らしく見所をあげるとなると、自分にとっては核戦争後妖しい光を放つ空の特殊効果だけです、残念ながら。

この作品は一度テレビの洋画劇場で放映されたかも知れませんが、その辺の記憶は定かではありません。LD化もされなかったSF作品だったと思います。
それがここへ来てブルーレイでソフト化されました。FOX配給作品だったけれどもリリースはSHOUT! FACTORYという自分は聞いたこともないメーカーだったことに不安を覚えました。米国リリース以前に日本でも発売の噂(というより発売中止(!)のニュースを)聞いたのですが。

BD現物を手にしてこの不安が現実になるとは…あぁぁ…。
音声トラックは無難な6.1chDTS-HDを選択したのですが、いきなり甲高い音声に閉口しました。人間の順応性は素晴らしいもので、それも五分も経つと慣れて気にならなくなったのではありますが。

さて、注目のサラウンド音声なのですが、…はっきり言ってトホホでした。テアトル東京での感動を自室で再現と意気込んでいたのですが。記憶は時と共に美化されるともいいますが、今記憶に残っている劇場でのサラウンド体験は美化されたものであったのだろうかとも自分に問いかけました。仮にこのBDがオリジナルに忠実にサラウンド音場を再現しているとして、時間の経過の中でそれほど美化された音響体験の記憶をでっち上げるほど、自分はこの作品には思い入れはしていない(失礼!)という理由から、やはりBD収録の音声が残念な代物だったということに落ち着きました。

最後に、遠くない将来FOX純正のBD作品でリニューアルしてリリースされることを星にお願いします、なむなむ。